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スリランカは紅茶だけでなく、ルビーやサファイアの産地としても知られますが、宝石業を営んでいるのは、ほとんどが彼らです。
ヨーロッパ人の子孫はランシー人と呼ばれていますが、イギリスからの独立後は海外移住が進み、いまは完全に少数派と化しています。
このようにスリランカは多様な民族、宗教で成り立っている国ですが、残念ながら、現在は内戦の状況下にあります。紛争の原因は、民族と宗教の違いにあります。

イギリスからの独立後、シンハラ語をスリランカの公用語にするなど、多数派民族のシンハラ人にとって有利な政策がとられてきたことがタミル人の反発を買い、軍事紛争にまで発展しているのです。
私がはじめてスリランカを訪れたときも、政情はきわめて不安定だといわれていました。
タミル人の反政府ゲリラが政府軍の基地に突入したり、石油タンク基地や銀行を標的にした爆弾事件があったりで、日本政府もスリランカへの観光自粛を呼びかけていたほどでした。
しかし実際にコロンボ市内に降り立ってみると、緊迫感はそれほど感じられませんでした。
たしかに軍隊が街中で検問にあたっており、日本ではまず見られない異様な光景に出くわしましたが、訪れたコロンボ郊外の工業団地はマングローブとヤシの深い緑に囲まれ、その豊かな自然は世間の喧騒をすっかり忘れさせてくれました。

そして、何よりも南国の強い日差しのなかを歩くスリランカ人のゆったりとした表情や優雅な動作、そしてにこやかな笑顔に、私の心はずいぶん和みました。
戦場と化している北部地方はたしかに危険かもしれませんが、コロンボ周辺はそれはどの緊迫感はありませんでした。最初は緊張しましたが、慣れるにつれて新聞報道で抱いていた恐怖感はしだいに薄れていきました。
私は、これならスリランカに進出しても大丈夫だと思いました。
コロンボ市内でもテロはたしかにありましたが、いずれも政府や反政府組織の要人を対象としたもので、フィリピンや中南米のように日本人をターゲットにした犯罪は皆無であったからです。
それにコロンボ国際空港に近いカトナヤケ地区にある輸出加工区の治安は申し分なく、社員の安全は十分に保障されていると思いましたし、何より工場進出が、内戦で疲弊しているスリランカの経済復興の一助になればと考えたのです。


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